転職ノウハウ | 9月30日

アパレル業界のECサイトとは?オムニチャネルって何?お仕事の内容やスキルを詳しく解説!

パソコンやスマホによるトレンドチェックやショッピングが当たり前となった現在、多くの企業がECサイト、ネットショップの出店に乗り出しておりその市場規模は拡大を続けています。現代の生活の中で、ECサイトを利用したことがないという人はほとんどいないのではないでしょうか。

アパレル業界でも同様にEC化が加速していることに加え、リアル店舗とオンラインの垣根もなくなりつつある今、仕事として「EC/サイト運営」の求人数も増加しています。

では具体的にアパレルのECサイトの特徴や課題はどんなものなのがあるのでしょうか?また、お仕事の内容や求められるスキルは具体的にどのようなものなのでしょうか?ファッション市場・業界ならではのECサイト事業の特徴や情報について詳しく解説します。

<PR>
アールカワイイ

1、ECサイトとは


ECとはインターネットでの受発注や決済、契約などの商取引を行う「電子商取引」のことで、一般的に「ECサイト」「ネットショップ」と呼ばれています。「アパレルEC」は、ファッションブランドやメーカーがネットショップを使って自社の商品を販売する行いを指します。

2、ECサイトの成長


ECサイトが急激に成長し、規模を大きくした背景には2020年以降の新型コロナウイルスの拡大が強い影響を与えています。

お客様は外出自粛期間による実店舗での買い物が出来なくなったため、ECサイトを利用せざるを得なくなりました。実際に、ネットショッピングの利用者はコロナ禍を機に急増しています。(EC利用者:2020年1月42.8%→2021年3月52.5%)
またブランド側は営業自粛の中でも販売を続け、売上を上げることが可能なECサイトの構築・強化・改善が必須となりました。さらに、実店舗を持たないD2Cブランド(自社のECサイトから、卸売業者や小売店などの仲介を挟まずに直接商品を販売をするブランド)の増加によってECサイト同士の競争が激しくなったことも成長の要因と考えられます。

コロナ禍にやむを得ずECサイトを利用していたお客様も、徐々にツールの仕組みを理解し使いこなすことでその便利さを実感するようになりました。また、ブランド側はECサイト同士の競争によってサイトの見やすさや、商品の紹介文、決済方法など利便性を高めています。こういったユーザーと企業の両方の状況からコロナ終息後もECサイトはさらなる成長を続けています。

3、ECサイトのメリット・デメリット


では、ECサイトにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

ECサイトのメリット


・目的の商品を探しやすい


アパレル商品を探す際に、服のサイズやカラー、デザインなど、具体的なアイテムをピンポイントで探すことがあります。百貨店やショッピングモールなどの実店舗では、訪れても希望の商品がなかったり、欲しかった商品の在庫がない可能性もありますが、ECサイトの検索機能を使うと大量の商品の中から目的の商品を効率的に見つけることができます。さらに複数のブランドから似た商品を比較することができるので、価格や質など自分のこだわりにマッチする商品を探しやすいというメリットもあります。

・時間を選ばず買い物ができる


実店舗では営業時間や定休日があるため、仕事や予定が合わないと買い物に行くのが難しいですが、アパレルECサイトなら24時間365日いつでも利用できます。忙しい日々の合間に自宅でくつろぎながら、気軽に利用できるのはECサイトの大きな利点です。また突然手元にない服やアクセサリー・雑貨が必要になった場合のニーズに応えるため、即日配送や翌日配送を提供するサイトも増えています。店舗へ出向く以上に早く商品が手元に届けられるスピード感もECサイトの魅力です。

・口コミを確認できる


ECサイトでは、実際に購入したユーザーによる「口コミ」や「商品レビュー」が掲載されています。着用感や素材感、透け感、着丈など、実際に使ってみないとわからない消費者目線のリアルな情報を元に購入の判断ができます。また、実店舗ではスタッフが商品の良い点を説明しますが、ECサイトの口コミは購入者の率直な意見が多く、商品の人気ランキングがわかることはもちろん、厳しい評価も確認することができます。ショップのおすすめに流されて購入するのではなく、口コミを参考にしてからじっくり検討できるのもECサイトのメリットです。

・ポイントが貯まる


実店舗ではポイントカードやアプリでポイントを貯めるのが一般的ですが、ECサイトでも独自のポイントサービスやイベントが多く開催されています。特に複数のブランドが集まる「ファッションモール型」の通販サイトでは、様々なブランドで共通のポイントを貯めることができます。さらにセール品を割引価格で購入したりクーポンを利用したりすることができるので、実店舗よりもお得にアイテムを購入できる場合もあります。

ECサイトのデメリット


・試着ができない


オンラインショッピングでは、試着の体験ができないことが1つの大きな課題です。これに対処するため、一部のアパレルECサイトでは、前回購入したアイテムをもとにおすすめサイズを提案したり、身長や体型のデータを活用して適切なサイズを提示するシステムを導入しています。近年ではユーザーが着るときのイメージをしやすいよう、多様な体型のモデルの着用写真を掲載するブランドも多く見らるようになりました。また、無料で返品や交換を受け付けるサイトもあり、サイズやイメージに合わなかった場合の不安やリスクを解消しています。

・商品を直接見ることができない


ECサイトでは商品を直接手に取れないため、素材の質感やシルエットなどが伝わりにくく、着用イメージがしづらいという課題があります。ユーザーが想定したサイズやイメージとの違いから返品が発生することもあります。これを解消するため、多くのECサイトでは販売員が実際に商品を着用したコーディネート画像を掲載しています。またSNSなどのメディアを活用し、ユーザーに向けてブランドスタッフやインフルエンサーが商品やを説明したり、ライブ配信でスタイリングの着用姿を見せる取り組みも注目されています。ライブ配信中には直接質問もできるため、リアルタイムで疑問を解消できる点もユーザーにはメリットと言えます。

・競合が多く差別化が難しい


ほとんどのブランドがEC市場への参入している中で、他社との差別化が必須といえます。すでに多数の大手アパレルブランドはECを展開しており、すでに有名なサイトやプラットフォームも存在しています。新規で参入するアパレルメーカーは知名度の高いブランドと競争しなければなりません。独自性を打ち出し、商品や価格、納期、特典、集客方法など様々な視点で自社の強みを追求・分析し、ファンを獲得する工夫が成功の鍵となります。まずユーザーとの接点を増やすためにオムニチャネル化を進め、SNSを使用してビジュアルで商品の魅力を投稿、発信しユーザーに興味を持ってもらうことが重要です。また、ECサイトの利便性を向上させ、ユーザーが快適に買い物できる環境を整えることも求められます。

4、オムニチャネルとは


ECサイトの運営においてよく話題になる「オムニチャネル(Omnichannel)」という言葉。
これは小売業を中心に展開される販売戦略の一つで、顧客とのあらゆる接点で最適な購買体験を提供し、販売増を目指すマーケティング手法を指します。「オムニ」は「全て」を表すラテン語で、「チャネル」は企業が消費者に製品を届ける流通経路を指します。

具体的には、実店舗/アプリ/カタログ通販/ウェブ/ECサイトなど、さまざまなチャネルを統合し顧客との接点を強化することです。

例として、お客様がショップで商品を見つけても自分に合うサイズがなかった場合、スタッフがタブレットを用いて在庫を確認、ネットショップから購入することができるシステムなどが当てはまります。このように、オムニチャネル化を行うことによって、実店舗とネットショップの壁を取り払いお客様のスムーズなお買い物体験が提供できるようになります。

様々なチャネル


「オムニチャネル」が生まれた背景には、スマートフォンの普及をはじめとしたインターネットの発達が大きく関係します。お客様との接点が多様化していく過程で様々なチャネルが登場しました。

・シングルチャネル


シングルチャネルは、顧客との接点が限定的です。店舗販売はもちろん、通販やオンラインストアのみで商品を販売するビジネスが当てはまります。個人商店も同様に、シングルチャネルと呼ばれます。オムニチャネルと比較すると、情報発信や商品販売が1つのチャネルに限られるため、接点や施策の幅が狭くなります。しかしながら、『ここでしか手に入らない』という独自性や限定性を作ることが顧客に魅力を与えるという効果もあります。

・マルチチャネル


マルチチャネルは、複数のチャネルから情報発信や商品販売を行うことを指します。各チャネルは独立しており、例えば実店舗とECサイトを運営するケースでは、それぞれが独自の情報発信と販売を行います。つまり実店舗とECサイト、それぞれに集客が必要となります。マルチチャネル展開により販売チャネルが増加し、認知度や売上拡大ができる一方で各チャネルごとに管理や人材リソースが必要となり、手間やコストがかかります。

・クロスチャネル


クロスチャネルは、マルチチャネルが発展したもので、各チャネルの情報や在庫を統合して利用する戦略を指します。たとえば、ECサイトでの購入後に実店舗で受け取ったり、実店舗で在庫がない商品をECサイトから購入することが該当します。ただしオムニチャネルとは異なり顧客情報やポイントが一元管理されていないことから、顧客は一貫して同じチャネルを利用する傾向があります。

5、WEB/ECの業務内容は?


ではアパレルのECサイトの仕事内容はどんなものなのでしょうか。業務は大きく2つ「フロント業務」「バックエンド業務」に分けられます。

バックエンド業務


「バックエンド業務」は、在庫管理やピッキング、出荷やアフターサービスなど主に商品購入後に提供するサービスです。実際の商品やお客様と直接的にかかわる担当と言えます。

・商品情報登録業務
簡単にいうと商品情報を登録する作業です。売れた商品をサイトから削除したり、新しい商品が入荷したら登録していきます。ECサイトで重要なのは常に最新の情報を掲載することです。頻繁に入れ替わる商品の在庫を把握し、常に最新の状態で掲載し続けなければなりません。そのために必要な業務がこの商品情報登録業務で非常に重要な役割です。

・受発注管理業務
バックエンド業務の代表とも言えるのがこの受発注管理業務です。商品の管理に始まり、お客様からの受注を受け付け、配送を完了するまでにかかる一連の作業です。この業務は主に3つの役割に分類ができます。①注文前の商品の保管管理を行う「倉庫業務」。②注文後の商品の梱包や納品書・送り状作成および宅配業者への荷渡しなどの「注文管理業務」。③ユーザーからの問い合わせ対応を行う「顧客対応業務」。

フロント業務


まず「フロント業務」はマーケティング活動、つまりECサイトから広く商品を紹介する仕事を指します。具体的には商品の企画・仕入れ・製造・サイトの運営/運用・プロモーションなどが挙げられます。

・商品企画


店舗とECサイトでは売れる商品が異なる場合があります。店舗よりECの方が比率として客単価が安くなる傾向にあるので、店舗と同様の商品ではユーザーに受け入れられないこともあります。トレンドや季節などとともに価格も考慮して充実した企画を検討する必要があるでしょう。

・SNSなどを利用したプロモーション


販売スタッフの方は、リアル店舗でもSNSの活用をされてる方が多いのでイメージがつきやすいのではないでしょうか。冒頭でも述べたとおり、リアル店舗とECの垣根もなくなりつつあります。ブランドの公式SNSの更新ももちろん大切ですが、リアル店舗の販売スタッフと連携し、スタッフのSNSをいかに有効活用していくかが今後は非常に大切になると想定されます。

6、WEB/EC業務で求められる能力は?


パソコン操作スキル


WordやExcelなどのパソコン操作スキルは必須ですが、それに加えて、バックエンド業務では情報入力業務には正確さやスピード、フロント業務のデザインならデザインセンスやAdobe Photoshopなどの操作スキルが、制作にはHTMLやCSSなどの知識が、そしてプロモーションにはマーケティングスキルやIT関連の幅広い分野の知識が求められます。

接客スキル


ECサイトは対面販売ではありません。顧客と対面せずに商品の売り買いが進んでいくものです。対面ではない分、ユーザーとのすれ違いが発生しやすくなりクレームや機会損失の率も高くなります。
だからこそ、ECサイトでは『接客』でのサポートスキルが必須と言えます。お客様の要望を正しく理解し、サイズや色味、またコーディネートの仕方など的確なタイミングで詳細に伝える高いコミュニケーション能力を持っている人材は非常に重宝され、企業側の需要も高いといえます。
販売スタッフから転職をお考えの場合は、現場で培ったスキルを活かせる場面も多くなります。

7、まとめ


アパレル販売スタッフをしてきた方は、これまで磨いてきた経験を活かせるお仕事の1つと言えます。
新しい知識やスキルはもちろん必要ですが、専門スキルだけでなく、ブランドへの理解や美的センスの力も必要になります。たとえECサイトのお仕事が未経験でも、アパレル経験はお仕事に貢献できる大きな武器となり採用へつながるでしょう。
これまでの経験を活かして新たなチャレンジをしたい!という方は、ぜひこの記事を参考にしてECサイト運営のお仕事もご検討してみてくださいね!
<PR>
アールカワイイ


● TWCはファッション業界の求人・情報サイト
国内外のアパレルブランドやセレクトショップの求人を掲載。その他、転職に役立つコンテンツが揃っています。
● TWCスカウト
あなたのご経歴や希望を元に、アパレル企業からあなたにオファーメールが届きます。

同じカテゴリのトピックス