「あこがれのアパレル業界で働ける！」と夢と希望に包まれて入社したはずのこの業界。しかし見た目の華やかな仕事ほど、お客様の目に見えない部分では大変なこともあるものです。
働き始めて日もまだ浅いのに「こんなハズじゃなかった。もう辞めたい」と悩む方もいるのではないでしょうか。そんな人にぜひ読んで欲しいことを書きます。
 

声出し、おたたみ、ちゃんとできていますか？
最初の頃は、声出し、大変ですね。おたたみも時間がかかるし、なかなか完璧にはできませんよね。「なんで、せっかく畳んだのに、無造作に広げていくのっ！」と悲しい気持ちになったりしませんか？そういう気持ちはとてもよくわかります。

さて、ちょっと話は変わって。

店長やベテランの先輩。ショップによっては、本部のスーパーバイザーが店員に混じって店頭で働いている姿を見ることもあるでしょう。そういう人たちの働きぶりを、こっそり観察してみましょう。

声出し、ちゃんとできていますよね。
おたたみ、すごく早くてキレイですよね。

そう。みんな最初は新人だったのです。地味で辛い時期を経験しているのです。そして、そういう楽しくもカッコよくもない作業をしっかり経験して、どんなに忙しい時も手抜きなく完璧にできるようになって、少しずつ上のポジションに上がっていったのです。
地味な仕事が完璧にできない人に、華やかな仕事が任せられるはずはありません。ましてや、後輩や新人を育てる側に回ることなんてないのです。
あこがれの上司や先輩の背中を見て、「明日は私もああなるんだ」と信じて、未来の後輩が自分の姿を後ろから見ているシーンをイメージしながら、目の前の仕事にもう一度新たな気持ちで取り組んでみませんか？


売り上げ予算が達成できないときは…
販売のお仕事は、売上げ予算（ノルマ）との戦いでもあります。売上げ予算の設定やペナルティを撤廃する職場も増えてきましたが、それでも「いかに売るか」のノウハウは大切ですね。

一般に、売上げを伸ばしたいときは

✔️お勧めできるコーディネートをご提案する
✔️一緒にアクセや小物（を扱っているお店の場合）をお勧めする

など、客単価を伸ばす工夫をするのが良いとされています。

確かに基本はその通り。でも、もうひとつ何か忘れていませんか？

そう、お客様の心理はとても難しいのです。「押しつけられたものは買いたくない」「売りたいという気持ちが強すぎる接客はされたくない」という心理が働きやすいものです。自分がお客様の立場なら、よく理解できるのではないでしょうか。
自分の好みだけでなく、先輩や売上げがとれている同僚はどのようなコーディネートをおすすめしているのか研究して、自分のアイデアの引き出しを増やしておきましょう。そして、お客様におすすめするときはご提案の前にお客様の服装やお話から好みを推理して「こんな組み合わせは素敵だと思いませんか？」と、お客様のご要望を引き出すような接客をすると売上げが違ってくるのではないでしょうか。
このような工夫で少しずつ売上げに手応えを感じられるようになったとき、仕事が楽しくなってくるかもしれません。


割り切って考えることも大切
上司や先輩が意地悪。いつも叱られてばかりいる。そういう人間関係の悩みで仕事を辞めたい、または転職したいと考えている人もいるでしょう。

アパレルショップは、お店によって経営方針や職場の雰囲気が全く違います。ひょっとして、あなたに合うお店が他にあるのかもしれません。ですから、転職することが悪いというわけではないのです。
でも転職すれば問題が解決するとは限りません。仕事を十分身につけないうちに転職すると、また未経験の新人と同じところからスタートしなくてはなりません。運良く周囲の人に恵まれればいいのですが、今のお店より厳しいところに配属される可能性も考えましょう。

どんな仕事でも、辛く苦しい部分は必ずあります。そう割り切って、「ひと通り仕事を身につけるまでは、どんなことがあってもこの仕事を辞めない！」と決意して仕事に取り組んでみるのもひとつの解決策になるかもしれません。
あるいは、「3年間は何があっても辛抱しよう」というように期限を決めて、その間は何があっても辛抱する覚悟をすれば、辛いことがあっても「どうせ期限が来たら辞めるんだ」と考えられることで気持ちに余裕が生まれるのではないでしょうか。
期限がきたら本当に辞めるかどうか。それは、そのときに改めて考えれば良いことだと思います。

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